M子です。
メグーちゃんが可愛らしくて素朴な『めぐみごはん』をアップし続けている中、今回は『すっぽん鍋』です。
何と言うか「とうとう来た感」がありますね。
なぜなら、「買ってきたすっぽんの切り身をお鍋に入れて〜♪」なんて、楽なことはなく。
生きているすっぽんからのスタートだからです。
この子、めっちゃ大きいです。
普通、お料理屋さんで使うすっぽんが800g〜1kgなのに対し、この子は2.6kg!
2週間かけて、泥抜きをしてもらってあります。
今回は、すっぽんを捌いたことのある先生と、中谷のおいちゃん、そしてM子でお送りします。
ちょっと血的な画像もあるので、ご注意を。
巨大なすっぽんを前に、興奮しまくりのおいちゃん。
この様子からでも、この子の巨大さがおわかりいただけるかと。
あ、持つのは必ず下半身から!
正面から持とうとすると、噛まれる危険があります。
まずは、生きたすっぽんを裏返します。
で、ひっくり返ろうと首をねじったところをすかさず掴んで、首をズバッと!
・・・と行きたいところなんですが、とにかく大きい。
ということは首も太いわけで、M子の手首くらいあります。
しかも素早い。
一瞬の躊躇で、あっという間に首が引っ込んでしまうのです。
そして威嚇。
いや、こんなんに噛まれたら、指ごと持って行かれます。
というわけで、あまり動けないようシンクに移動し、中谷のおいちゃんが必死の覚悟で首を落としました。
落としている最中、ずっと、
「ごめんよ、ごめんよ」
「ちゃんと食べるからね!」
と、声をかけ合いました。
首を切ったら、周囲を囲むコラーゲン質『エンペラ』より、やや内側に刃を入れていきます。
かなり硬いですが、それでも刃の入る部分を探り当てることができると思います。
それにしても、私の人生ですっぽんを捌く日が来ようとは、誰が想像できたでしょうか。
一周ぐるっと刃を入れたら、そこから剥がして中身をお掃除。
その後は、足を落とし、おなか側からも切れ目を入れて、肉片にしていきます。
こちらが食べられる部位。
メスだったので卵も取れました。
以前卵を生でいただいた時は、一粒で鼻血が出るんじゃないかと思ったほど、濃厚でした。
気をつけるのは、腎臓と胆嚢を破らないこと。
臭みと苦味がまわって、台無しになってしまうそう。
画像右上は、肝臓と肺。
個体が大きかっただけに、こちらも相当大きいです。
そうそう、本茹でに入る前に、一度熱湯で湯引き。
肉は良いのですが、皮部分に1枚薄皮がついており、それが食べるときの臭みの原因となるので、こそげ剥がしていきます。
もちろん甲羅の皮も。
意外と地道な作業です。
一人でやっていたら、心が折れるかも。
ここからようやく本茹で開始。
ゆで汁は、日本酒と水が1:1。
すっぽん1kgに対し、日本酒を1升使います。
つまり今回は、日本酒2.6升、水も同量。
何と5.2升ですっぽん一尾をたくことになります。
どでかい寸胴鍋をいただいておいて良かった!
ありがとう、坂下さん!
このように黄金色になったら、ようやく完成!
決して煮立てることなく、アクを取り続けること3時間くらいだったかしら・・・。
煮立てないのでなかなかアルコールが飛ばず、厨房にいるだけで酔ってきそうでした。
下戸の方だったら、確実に酔っ払ってしまっていたでしょう。
一旦、身を取り出し、スープに塩で味を加えて・・・。
イヤッホオオオォォォ!!!!
夢にまで見た『すっぽん鍋』の完成!!!!
コラーゲン感、すっごいです!
スープをすすると、唇がンパッとします!
食べている者たちがみな、
「うめ〜・・・」
「うほ〜・・・」
「あ”〜・・・」
みたいな声しか出しません。
身は肉質がしっかり、エンペラはトロントロン。
しかし、これで終わるわけがありません。
雑炊最強伝説!!!!
私たち、この瞬間のために、朝の9時半から5時までかかって、すっぽんを捌き、下処理し、煮込んできたのよ!
今、この瞬間!
・・・くらいなテンション。
いや、本当に美味しいです。
2週間泥抜きしてくれていたのと、下処理を丁寧にしたためか、臭い消しのショウガを入れていなくても臭みがなく、高い純度の旨味。
が、ご飯の一粒一粒に染み渡っているんですよ!
美味しくないわけがないです。
けれど、あまりにも食べることに夢中になるあまり、美しく画像を撮れなかったのが残念です。
すっぽんは近所の川でも獲れると知り、俄然、すっぽん獲りにやる気を出す、中谷のおいちゃんとM子。
しかし、これから冬眠の時期なんですよね。
動きが活発になるのは来年の春以降。
私たちが活動を始めるのも、その頃になりそうです。
それにしても、本当に美味しかった。
里のめぐみに感謝です。
ご馳走様でした!